看板屋は雑草をむしる

ある案件で値引きを要求された。

当然である。

しかし私の選択した答えはNO


その代わりに、

暫く家主の見つからなかった土地の

びっしりと生えた雑草を刈る。

という案を出した。



お客様はその答えにびっくりした顔を見せたが

『それでOK』と即答して頂いた。


看板が付いたら、お店としては準備OK?

そうでは無いはず。

そこの土地がかもし出す雰囲気は

ゴミや雑草や、壊れたフェンスからも伝わっている。

であれば、

看板屋として最高のお店の顔を演出するために

雑草刈りは業務の延長線なのだ。


それを値引き以上と判断してくれた社長様には感謝である。


とある土曜日。スタッフ達は疲れていて休みたかろうに

無心で雑草を抜く作業を行った。

看板屋は

雑草をむしり、

手を汚し、

そうしてそのお店を愛するのである。










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