幻想的幸福

 

過去ほど苦しくて恥ずかしいものはない。

しかし私の脳は、

嫌な事をただ削除をするのではなく、

盛ったり、削ったりと

しっかりと素敵な記憶に変換してくれる。



だから過去は

常に素晴らしかったことになるのだが、

記憶がぼんやりとしてこないと、その変換はできない。


素晴らしい『過去』に変換され、

それを思い出しながら、

幸福感に包まれる。



しかしそんな幻想を

何故、脳は観せてくれるのだろうか?


もし観せてくれなければ、

生き抜く力を失ってしまうのかもしれない。


なぜなら過去を

事実のまま記憶したならば

未来に希望など持てるだろうか?


と言いつつも

この瞬間も『過去』になっていく。


生きるということは

後悔と反省、そして積みあがった不安を、

1つひとつ潰していくこと・・・なのかもしれない。


しかし、せっかく脳が創ってくれた素敵な『過去』に

どっぷりと浸かるのも悪くはない。


『過去』がデジタルとしてデータで残っていたとしても、

心までは撮られていない。

『今』の自分が都合よく新解釈をすれば良い。


それは誰にも邪魔をされない自分だけの幻想的幸福

『至福の今』なのである。


未来にあまり期待はできなくても

『今』をつなぎながら生きていくことはできるのだ


・・・・だから死なないでほしい



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